子犬との暮らしに備えて
子犬を初めて家に迎える日というのは、ほんとうに特別です。さっそくみんな(人間だけとは限りません)に紹介したり、家の中をひととおり見せてまわったり、新しいおもちゃを与えたりしたいことでしょう。ですが、そうした「儀式」を行う前に少し時間をとって、子犬を迎える準備ができているかどうか確かめてみましょう。子犬の居場所、あなたとの共用スペース、庭(ある場合)が子犬にとって安全かどうかを確かめるということです。あらかじめ犬用品を用意するのはもちろんですが、子犬の振る舞いに関する本を読んで今後何が起こるかを知っておく必要もあります。また、子供たちにこれからの役割分担を知ってもらい、子犬の正しい扱い方を教えておくことも重要です。しなければならないことが増えてきたら、ユーカヌバのチェックリストをお使いください。
家を安全な場所にする
ラッフルズが子犬の頃にダイニングのカーテン飾りを引きちぎってしまったとか、ベイブが大切な試合の直前にボビーのサッカー・シューズを咬み切ってしまったとか、フェラガモがレディーおばさんのハンドバッグの中にまる1日隠れていて、家族の誰もがフェラガモは逃げてしまったと思いこんでいたとか・・・。こうしたハプニングは、やがて家族の楽しい思い出になります。でも、それが楽しいのはハッピーエンドだったからこそです。家の中を子犬にとって安全な場所にすることで、怪我や死亡事故を防ぐことができます。家の中のすべての部屋で、文字どおり這いつくばって、何か問題がないか探しましょう。這いつくばることで、子犬の視点で見ることができます。次のことに注意してください。
- 電気コードはまとめて、固いプラスチックの配線カバーの中に隠し、コンセントはプラスチックのプラグで覆います。
- 子犬を信頼できるようになるまで、室内植物は犬が届かない場所に移します。ポインセチア、ツツジ、シャクナゲ、ダムケーン(アカンショ)、イチイ、オレアンダー(セイヨウキョウチクトウ)、イングリッシュ・アイビー(セイヨウキヅタ)などの有毒植物には、絶対に届かないようにしてください。
- 壊れやすい貴重品や大切なおもちゃなどは、犬が届かない場所に移します。
- 家庭用化学製品は棚などに片付けます。小さなヒンジでロックすることも考えてください。エンジン用の潤滑油や不凍液は、命にかかわりかねないので、必ず片付けてください。子犬はこれらに強い興味を抱きます。
- 屋外にドッグ・ランや犬小屋がある場合は、1日のいろいろな時間での陽当たりをチェックします。完全に日向になる場合は、避難できる日陰を用意してください。
柵を選ぶ
子犬は広い世界に強い関心を抱きます。このため、子犬の安全が確保できるよう適切に柵が設けられていることを確かめる必要があります。また、子犬が池や浴槽などに落ちてしまわないように、柵の内側にも柵が必要になることがあります。犬は泳げることが知られていますが、落ちたあとに階段まで移動できなかったり、高い壁を乗り越えて安全な場所に行くことができない犬もいます。柵には次のようなものがあります。
- プライバシー・フェンス。背が高く、すき間はありません。
- 金網。長持ちします。1ロールあたり約60ドルです。
- 埋め込みフェンス。このフェンスは目に見えません。というのも、地面に埋め込まれていて、特別な首輪に接続されている送信機とリンクされているからです。子犬がこのフェンスに近づくと、首輪がピリッとします。こうしたシステムには、約99~1,500ドルかかります。
- ドッグ・ラン。コンクリートの厚板にカバーをかけて、子犬を悪天候から守ったり、乗り越えてケージの外へ出ないようにします。これを床板にすれば、子犬が穴を掘って逃げ出すことも防げます。
* 価格はいずれも米国ドルです。
ペットのIDを選ぶ
どれだけ工夫をこらして逃げないようにしても、子犬が隙を見て外へ出て迷子になる可能性はなくなりません。そこで、子犬の身元がしっかりわかるようにしておく必要があります。次のことを考えてみてください。
- ブレイクアウェイ・カラー(無理な力が加わったときに外れるようになっている首輪)を購入し、子犬の名前、あなたの住所と電話番号、かかりつけの獣医師の名前と電話番号を記入する。
- 連絡先情報が記録されたマイクロチップを手術で埋め込む。
必要な身の回り品
子犬というのはほんとうに可愛いものです。ここ10年ほどで、犬のデイケア、ブティック、パン屋さんなどが次々と開店するのもうなずけます。ところで、本当に必要な身の回り品は何でしょうか? まずは、ここに挙げる品々を「必ず」買い揃えましょう。以前から目をつけていたあこがれのキャリー・バッグの購入は、その後で予算に余裕があったときにしてください。
- 子犬用に特別に調製されたフード(注意:育ちざかりの子犬の基本的なニーズは成犬と大きく異なります)
- ステンレス製で尖った縁のない、フード用と飲み水用のボウル(ステンレス製は丈夫でにおいも付きません)
- 子犬のしつけ用おやつ
- IDタグ、長さを調節できる首輪、取り外し式のナイロン製リード(長さ2 m前後、幅1.3~2cm)(ヒント:首輪のサイズが合っていることを確かめてください。目安として、首輪と子犬の首のあいだに指が2本入るくらいのものを選びます)
- 子犬が成犬になっても入れるような家庭でも旅行でも使えるクレート
- 犬のにおいも落とせる染み抜き剤
- 子犬の被毛に合ったブラシとコーム
- 犬用のシャンプー、歯磨き、歯ブラシ
- 歯の育成を助けるための上質の噛んで遊べるおもちゃ(注意:簡単に壊れないおもちゃを選んでください)
- 寄生虫防止薬(ノミ避けの薬など)
- 爪切り
- 子犬を囲っておくための大きさ調節可能なサークル
家に来た最初の日
子犬を家族の一員として馴染ませるプロセスは、あなたが犬舎や保護施設でその子犬を選んだ瞬間に始まり、それから何か月も続きます。その間、あなたが群れのリーダーであることと、従うべきルールがあることを、子犬に穏やかに伝えていくことになります。早いうちから良い習慣を身につけさせれば、あとで嘆くようなことにはならないでしょう (体重が5kgになったゴールデン・レトリーバーのジェンギスと、土曜日の朝にベッドの中でまどろむのは、もちろん気持ちがいいものです。ですが、50kg近くになったときにも同じように隣にいて欲しいかというと、微妙ではないでしょうか)。子犬の社会化を助け、習慣づけるため、獣医師は次のことを推奨しています。
- 新しい子犬を家に連れてくるのは、家の中が比較的静かな「普通」の日を選びます。習慣が身につくまで、お宅の双子の男の子たちが寝坊をしたり、子犬をひとりぼっちにするような休暇を取ったり、残業で帰りが遅くなったりしないようにします。ふだんの生活習慣に慣れさせることが大切です。
- 家の中に入る前に、庭の一角のトイレと決めた場所へ子犬を連れていきます。そこで子犬に好きなだけにおいを嗅がせてください。子犬がそこでトイレをすませたら、おもいっきり褒めてあげます。しなかったときは、あとでまた連れて行きます。
- その次に、子犬に家の中の部屋を見せます。このとき、子犬を驚かさないよう、一部屋ずつゆっくり見せましょう。家の中の一角をサークルやドアなどで仕切ります。子犬が家の中での暮らしに慣れるまで、数日間はそこで暮らさせます。ハウス・トレーニングをする場合は、このスペースにクレートを置きます。仕切ったスペースには常に寝心地のいいベッドを置いておきますが、汚れたらすぐに取り去り、子犬が自分専用の屋内トイレがあると思い込まないようにします。
子供に子犬を可愛がることを教える
あなたが子犬を買ったのは、子供の遊び相手にするためでしょうか。子供を産むことにした理由の一つが、子犬育てが楽しかったからという方もいることでしょう。いずれにしても、いくつの子供にも、一家のペットを上手に扱う方法を教えておく必要があります。次のことについて考えてみてください。
- 子供が約束事を理解できる年齢に達している場合は、子犬と子供の顔合わせの前に、子供と一緒に基本的なルールを決めます。ペットにやさしく接するよう子供に教えてください。このとき、子犬にするときと同じように、子供のおでこや頭をやさしくなでて、具体的に伝えましょう。練習として、子供にあなたをなでさせてみましょう。
- 子犬の名前を呼ぶときは、赤ちゃんに声をかけるときと同じように、優しい声で呼ぶよう子供に教えましょう。
- 子犬の空間を大事にするよう子供に教えましょう。特に、食事中に邪魔をしてはいけません。どんなに良い子犬でも、おびやかされたと感じると噛みつくかもしれません。
- 子犬が子供に近寄ることを許すよう教えましょう。幼い子でも、子犬を怖がることがあります。
- 子犬と子供が一緒に遊ぶ時間は、1日に2~3回、1回あたり15~30分に制限しましょう。私たちと同じように、子犬にも休憩時間が必要です。
- 子犬をからかうと(子犬が取れそうで取れない高さにボールを持つなど)、跳びついたり、やたら吠えたりするなどの悪い癖がつくことを子供に教えましょう。
- 家に初めて赤ちゃんが来る場合は、あらかじめその赤ちゃんのにおいがついた毛布や衣類を子犬に嗅がせておきましょう。
- 子供と子犬の交流から常に目を離さず、何かあったときには、いけないことをした方を注意しましょう。
子犬と家にいる他のペットとの顔合わせ
新しい子犬がやってくると、前からいるペットはとても興奮します。十分に気を配って、すばらしい友情を育めるようにしてあげてください。次のようにするとよいでしょう。
- 最初の数日間は、新しい子犬と前からいるペットの間に仕切りを置くなどして、一緒にしないでおきます (あるいは、子犬をケージに入れておきます)。
- 次の数日間に、ペット同士が仕切り越しに互いのにおいを嗅げるようにします。
- そして最後に、ペット同士を「デート」させます。必要があれば仕切り越しに戻します。
あなたの家庭が何人家族でも、子犬が加わるというのはほんとうにうれしいものです。そして、それにしっかり備えておけば、新しい家族との生活も順調に進むことでしょう。